お茶の種類と淹れ方について
【お茶の種類について】
お茶にはさまざまな種類がありますが、もとは同じ茶の樹からとれた茶葉で、大きく分けると不発酵茶(緑茶)、半発酵茶(烏龍茶など)、発酵茶(紅茶)の3種類になります。そして、蒸気で蒸しあげて発酵を止める不発酵茶=緑茶の中でも、栽培方法や加工工程によってさらに分類することができます。
煎茶
日光を遮らずに栽培し、摘採した茶葉の新芽を蒸して揉み、乾燥させたものです。一般的に緑茶として飲まれているお茶の中で最もポピュラーなものです。
深蒸し煎茶
煎茶と同様の作り方をしていますが、茶葉の蒸し時間を煎茶の2倍以上かけています。長時間蒸されることにより茶葉の形がややくずれて細くなりますが、そのことによって渋みが少なく旨みとコクが増し、濃厚な味わいが楽しめます。井上園の煎茶は全て深蒸しです。
番茶
新芽を摘み取った後に残った伸びて硬くなった茶葉や古葉、茎などを原料として製造したものや、茶期(一番茶、二番茶などお茶を摘採する時期)以外で摘採した茶葉を用いたものが番茶にあたります。渋み成分のタンニンが多いですが、カフェインが少なく、さっぱりとした飲み口です。
ほうじ茶
番茶や煎茶を高温でほうじたものです。独特の香ばしさとあっさりとした口当たりで、食事に合わせるお茶としても親しまれています。煎茶と比べてカフェインは少なめです。
玄米茶
煎茶や番茶に焙煎した白米を混ぜたものです。香ばしく風味豊かで、ほうじ茶と同様にカフェインは少なめです。米の割合は製品全体の重量の50%以内とされています。
粉茶
煎茶を作るにあたってふるい分けされた、砕かれた葉を集めたお茶です。煎茶の副産物ということもあり安価ですが、熱いお湯で手早く入れることができ、お茶の成分も豊富に含まれています。
玉露
一番茶の新芽が伸び出したころから、茶園を20日前後寒冷紗(かんれいしゃ)と呼ばれる布などで覆い日光を遮い、その茶葉を煎茶と同様に製造したものです。カテキンが少ないため渋みが少なく、玉露特有の香りと豊富な旨味が特徴です。カフェインは多く含まれています。
かぶせ茶
玉露より短い期間(7日日前後)被覆を施した茶葉を煎茶と同様に製造したものです。
抹茶
玉露と同様に日光を避けて育た茶葉を、揉まずに乾燥し、茶臼で挽いて微粉状にしたものです。
【お茶の淹れ方について】
お茶には茶種ごとに適した入れ方がありますが、コツを掴めばご家庭でもお茶屋さんで飲むようなおいしいお茶を楽しむことができます。こちらのページでご紹介する方法をお試しいただき、色・味・香り、3つの角度からお茶をお楽しみください。
煎茶
湯の温度:上茶=70℃ 並=80℃
茶葉の量:5人で10g(大さじで2杯)
浸出時間:約1分
- 人数分の茶碗にお湯を8分目ほど入れて冷まします。
- お茶の葉を急須に入れます。
- 湯冷まししたお湯を急須につぎ、約1分(深蒸し煎茶は30秒)お茶が浸出するのを待ちます。
- お茶をつぐ分量は、濃淡のないように均等に廻しつぎます。最後の一滴までお茶は絞り切りましょう。
おいしく味わえる温度は約50〜65℃です。2煎めはお湯を入れてから約10秒でつぎ分けてください。
玉露
湯の温度:上茶=50℃ 並=60℃
茶葉の量:3人で10g(大さじで軽めに2杯)
浸出時間:約2分
- 急須にお湯を入れて冷まします。
- 急須のお湯を茶碗に7分目(約20ml)ほど入れます。茶碗は玉露用の小さめのものがおすすめです。
- お茶の葉を急須に入れます。
- 茶碗のお湯を急須にあけて約2分お茶が浸出するのを待ちます。
- お茶をつぐ分量は、濃淡のないように均等に廻しつぎます。最後の一滴までお茶は絞り切りましょう。
番茶・ほうじ茶・玄米茶
湯の温度:熱湯(100度)
茶葉の量:5人で15g(大さじで多めに2〜3杯)
浸出時間:約30秒
- お茶の葉を急須に入れます。
- お湯を急須につぎ、約1分(深蒸し煎茶は30秒)お茶が浸出するのを待ちます。
- お茶をつぐ分量は、均等に廻しつぎます。最後の一滴までお茶は絞り切りましょう。
おいしく味わえる温度は約75℃です。2煎目は1煎目より熱めのお湯を急須につぎ、一呼吸してすぐにつぎ分けてください。お茶の成分は2煎目でほとんど出つくしてしまいますので、茶葉を取り替えてください。